平成25年、杭の施工不良が原因とみられる傾斜問題が大きなニュースとなりました。 杭打ちデータの捏造や施工管理の甘さなど様々な原因が指摘されていますが、建築物の傾きの原因は必ずしも施工不良だけではありません。
定期的な傾き調査で予兆を掴み、リスクヘッジすることをお勧めします。
軟弱地盤や地盤改善の施工不良、地下水位の低下、液状化による地盤の軟化などの理由で建物直下の地盤が沈下し、建物が傾いてしまいます。
地震による揺れや地盤の変形で基礎杭に無理な力がかかり損傷してしまうことで、建物の重量を支えられずに傾斜してしまいます。
2015年10月にニュースになったマンションの傾斜問題のように、杭打ちデータの捏造や施工不良によって建物の傾斜が引き起こされることもあります。
傾きの原因はいろいろありますが、どれも変化は緩やかなのでなかなか気づかず、気づいた時にはかなり進行していた、ということもあり得ます。
建物が0.3%以上傾いていると「構造耐力上主要な部分に瑕疵」がある可能性※として、問題のある欠陥物件ということになります。
※品確法の「住宅紛争処理の参考となるべき技術基準」(平成12年建設省告示第1653号)による
また、もし傾きが発覚しても新築・引き渡し時から10年過ぎていると瑕疵担保責任は問えません。
また販売元や施工会社は、瑕疵が竣工後に後発的原因で起こったことを証明しなければなりません。
オーナー・管理会社 > 引き渡しから10年過ぎると責任を問えない
引き渡しや瑕疵の発見から時間が経過してしまうと、瑕疵担保責任が追及できなくなります。
宅建業・施工会社 > 引き渡し後の後発的瑕疵の責任は問われない
瑕疵があった場合、工事施工時の施工管理が適切に行われ、形状を記録したデータが保存されていれば、後発的原因によって引き起こされたと推定できます。。
定期的に傾き検査をすることで、オーナーや管理会社は建物の価値と利用者の安全と守り、宅建業者や施工会社はリスクを回避することができます。
KUMONOS はノンプリズム光波測量器(トータルステーション)を用いた正確な測量結果を解析して建物の傾きを検出します。 データはデジタルで保存されるので長期にわたる保管が可能です。
安全な計測 | 離れた場所から調査が可能。測定者の安全を確保できるので、安全対策費等が圧縮できます。 |
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正確な計測 | 光波測量器により、全ての測点は3 次元座標データとして記録。 展開図も高精度に作成。 |
工期短縮 | 専用ソフトによる自動描画機能により、図面作成時間が大幅に短縮されました。 |
高い経済性 | 足場の設置がいらない為、安全対策費が抑えられる他、一度に広い面を調査するため短期間で終了します。 人件費も少なくて済むので、足場を組んだり高所打診を行う方法よりも、最大で75%ものコストダウンが可能です。 |
まずは通常点検を実施し、基準点を設定します。兆候を捉えるには全面調査の必要はなく、一部のサンプリング調査で十分な結果を得ることができます。
このデータ(基準点の座標)から経年による変化を記録していきます。異常時には適切な詳細点検を行うことにより、将来にわたっての修繕工事計画を綿密に立てることが可能になります。
また、住宅マンションの品確法の適用見通しや、長期修繕計画の良否にかかわるデータにもなります。
基本的に毎年、少なくとも2~3年に1度は調査を行って兆候をつかむと安心です。
大規模修繕調査や定期報告の際に
建物の傾き調査も実施することをお勧めします